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子供に英語を教える際にやってはいけないこと、気をつけたいこと

子供に英語を教えるとき、「りんごは英語でAppleだよ」というように教えていませんか?

 

日本語を英語に変換して(逆も同じく、英語を日本語に変換して)教えるのは、実は良い方法とは言えません。

 

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変換作業が理解を複雑にする

りんごを指して、「りんごは英語でappleだよ」と教えると、子供の脳内では、「赤い果物=りんご」「りんご=appleという二段階の処理が必要になります。これは処理の時間もかかりますし、複雑な処理なので、かなりの煩わしさやストレスがあります。

さらに、この後にも説明しますが、中には日本語と英語で全く同じニュアンスで伝えられない言葉もあります。


赤い果物は「りんご」でも「Apple」でもあるので、日本語を軸に教えるのではなく、りんごを指して、そのまま「これはappleだよ」と教えると「赤い果物=appleの一段階処理で済みます。


バイリンガルで育つ子も、両親からいちいち、もう片方の言語でいうと〇〇だよ、と説明されなくても、それぞれの言語を理解するようになりますよね。

 

言語には特有のニュアンスがある

英語に限らず言語にはその土地の文化や考え方などの要素を含む単語や表現もありますので、他の言語でバチっとハマる表現がないこともしばしばあります。

例えば「おもてなし」や「もったいない」という言葉は、まさに日本特有の文化や考え方に根付いた独特の表現なので、対応する英単語はありませんし、「よろしくお願いします」という表現も英語では一つの言い方に当てはまることは出来ないでしょう。

例えば、はじめましての「よろしくお願いします」は「Nice to meet you」、頼み事をしたときの「よろしくお願いします」は「Thank you」、メールの文末の「よろしくお願いします」は「Best regards」というように、日本語では全て同じ「よろしくお願いします」ですが、意味が異なるので英語では場面によって言い分ける必要がありますよね。

 

機械翻訳頼みではなく、自分で英語を話せるようにならないといけない理由もここにあります。

 

私は翻訳の仕事をしているので、仕事ではどうしても英語を日本語に、日本語を英語に変換しないといけないときがあるのですが、その言語の独特のニュアンスを他の言語に当て込むのはなかなかタフな作業だと日々感じます。

その言語のままのニュアンスで理解できるに越したことはありません。

 

また、日本在住の海外のママ友がいるので、ありがたいことに私も息子も英語に触れる機会があるのですが、「こんにちは は Helloだよ」とは教えず、ただ「Say Hello (こんにちはしてね)」と言っていると「会った時の挨拶=Hello」とおそらく息子は認識し、その友人に対し「Hello」を言うようになりました。
一方で、息子のお気に入りの英語の歌に「Five Little Monkeys Jumping on the Bed」というのがあり、「Hello? (もしもし?)」と電話をかけるシーンがありますが、「電話をかけたときの言葉=Hello」も認識して、電話をする真似をするときにも「Hello」を使っています。

日本語では「こんにちは」と「もしもし」は別の言葉ですが、英語ではどちらも「Hello」です。
これも、「Hello=〇〇」と決めつけていたら少し理解するのに混乱が生じたのかな?と感じました。

 

日本語字幕にも注意が必要

英語の映画やアニメを見たり、英語の歌を聴くとき、日本語でどういう意味だろうと自分が気になったり、子供が理解しやすいようにと思って日本語字幕をつけたくなりますが、日本語字幕はあまりおすすめしません。

先に述べた理由もありますが、これらの翻訳は必ずしもその英語のフレーズが日本語字幕の意味になるとは限らないからです。

 

どういうことかと言うと、例えば字幕は1秒に読める文字数が決まっているため、その秒数の中で適正な文字数で「うまいこと」翻訳されています。(意訳のような感じですかね。)

また、仮にアメリカの映画だとして、英語でのセリフはアメリカの文化やアメリカ特有の言い回しなどの、いわゆるアメリカネタであっても、日本語だと、日本人が理解しやすいようなものに置き換えられている場合もあります。

 

有名な例で言うと、くまのぬいぐるみの映画「TED」です。

主人公がTEDに向かって「I think back to that Christmas morning and I wish I’d just gotten a Teddy Ruxpin. (あのクリスマスに戻れるならテディ・ラクスピンが欲しかった)」と言うシーンがあるのですが、字幕では「お前よりくまモンの方がいい!」となっています。

Teddy Ruxpinは80年代にアメリカで大流行したクマのおもちゃですが、日本人にとっては馴染みがないので「くまモン」に訳されているんですね。

 

また、英語の歌も英語で韻を踏んでいたりなど、英語の響きを生かした表現がされていたりするので、日本語に訳すのはナンセンスです。

 

乳幼児期の文字が読めない時期ですと、日本語字幕はそこまで気にすることはないかと思いますが、見せるのであれば英語字幕で見せるのがおすすめです。

ある程度内容を知っている作品であれば、尚更英語字幕がおすすめです。

 

とはいえ、楽しく英語に触れるのが一番大切なので、字が読める年齢で、かつ、初めて見る作品で、英語字幕だと内容がさっぱりわからず楽しめないようであれば、無理に英語字幕にする必要はないと思います。

 

まとめ

日本語を軸に英語を教えるのは実は非効率で複雑なので、英語を英語のまま理解するのが、一番良い方法です。

英語のコンテンツには、出来る限り英語のまま触れさせ、英語のそのままの音や響きを楽しみながらニュアンスなどの感覚を掴んでいくのが良いでしょう。