こそだて時々えいご

子育て・英語・海外の情報ブログ

ネイティブにこだわりすぎる日本の英語教育。ノンネイティブ英語から学ぶ多様性

人種や宗教、ジェンダーなど様々なことが多様化し、認められる社会になってきましたが、「英語」はどうでしょうか?

英語の多様化

英語は世界共通語ですが、グローバル化に伴い、実生活あるいは実社会で触れる「英語」が多様化しています。

英語を話す人口はネイティブよりノンネイティブの方が圧倒的に多く、またそのノンネイティブの話す英語は訛りがある人がほとんどです。
ネイティブの中でも全員が全員、教科書のような発音であるはずはなく、訛りがある人も多くいます。(日本でも関西弁や東北訛りなどありますよね。)
なので教科書のような発音のネイティブ「以外」に出会う方が確率は断然高いでしょう。

f:id:yukibooo:20200423001623p:image

 

ネイティブ志向がもたらす弊害

英語を学習するとき、英語教材や英会話スクールなど「ネイティブ」を売りにしているところが非常に多く、また学習する側も、「ネイティブ」にこだわる傾向がとても強いように感じます。

特に幼児英語教育の場合は、脳の吸収が良い小さい頃にネイティブの発音を聞かせないと!と思う方が多くいらっしゃいます。


英語を勉強する(あるいは勉強させる)理由は様々でしょうが「外国人とコミュニケーションを取ること」「世界で活躍する、グローバル社会で生き残る」などが目的である人も多いと思います。

(昇格や受験などのために、とりあえずTOEICのスコアを上げたいだけの理由の場合もありますが。)

 

ネイティブの発音を聞き、それに近い発音で話せるようになるに越したことはないかと思いますが、日本ではどこかネイティブの話す英語が絶対的に正しく、ノンネイティブの話す訛りのある英語はダメというような風潮があるように感じられます。

 

多様性を受け入れられない

今までにもノンネイティブの話す英語を聞いて「すごい訛りが強いよね」「変わった発音だよね」と笑う人を何度か見てきました。本人は一生懸命話しているのに。

ノンネイティブが話す英語の訛りや表現には、その人やその国らしさが現れていることが多いものです。

しかし「英語=ネイティブの話す綺麗な英語」という固定観念が、英語の多様性、ひいては異文化を受け入れられない考え方を作ってしまうことがあります。

 

ネイティブの発音を手に入れても、ノンネイティブの発音を差別的に捉えてしまう思考も同時に備わってしまうようでは、肝心な、相手を理解する、受け入れるという異文化理解能力が破綻してしまい、外国人とコミュニケーションをとる、グローバル社会を生きるという観点では、英語が出来ても残念ながら意味がないと思ってしまいます。

 多様性を理解しようという風潮な割には英語の多様性は無視されがちです。

 

自分の英語を認めてあげられない

もう一つの弊害は、ネイティブの発音に捉われすぎて、自分の話す英語にいつまでも自信を持てなくなってしまうことがあるということです。

 日本人が話す英語も「ジャパングリッシュ」と言われる、日本独特の発音の英語になりがちです。

例えば「R」と「L」の使い分けや「th」の発音などもそうですし、日本語の発音には必ず母音がつくので、子音だけの発音を苦手とします。

ネイティブの発音に近くなるように努力することは全く悪いことではありませんし、むしろ良いことですが、外国人とコミュニケーションをとる、グローバル社会を生きるという観点では、ネイティブに近い英語を話すこと以上に大切なことがたくさんあります。

発音ぐらいで自信をなくしたり、遠慮したり、立ち止まる必要はないのです。

 

グローバル社会で必要な能力

f:id:yukibooo:20200423001823j:image

翻訳や通訳などの場合を除き、英語は正しい、間違いで判断するのではなく、伝わるかどうかが重要であると思います。

 

英語を話せることが、更に言うとネイティブに近い英語を話せることが国際人であるかのように思い込んでしまう方も少なからずいらっしゃいます。

しかし、英語という言語はコミュニケーションツールの一つでしかないため、相手の話を聞く力、異文化に関心を持ち、理解し、受け入れる力、自分の考えを伝える力などの方が大切です。

 

先程も述べた通り、ノンネイティブが話す英語には、彼らの国の文化などが影響する場合が多いため、英語の多様性を理解することは、相手や相手の国を理解すること、違いを受け入れる適応力にも繋がると思います。

 

心が通う英語が大切

例えば、以前紹介したインド人の話す英語「ヒングリッシュ」は独特な発音や表現がありますが大抵は理解できますし、自分の英語も恐らく日本人特有のアクセントが入り混じっていますが、きちんと通じます。

さらに、インド英語特有の単語「trice (three times のこと)」や、表現「I have a doubt (I have a questionのこと)」などを知ってからは、自分の学んだ英語に固執することなく、あえてそちらの表現を使うこともあります。その方が相手にとっては通じるのだから。

 

英語を勉強する人の中には、ビジネスで使うからという人も多いと思います。例えばあなたのビジネスが特定の地域に進出するのであれば、ネイティブ仕込みのビジネス英語だけでなく、その国の英語の特徴を学ぶのも良い方法だと思います。

例えばシンガポールでは、中華系の民族が多く語尾に中国語の「lah(ラ)=了」をつけて「〜だよ」というような表現がよく使われますし(例:OK lah! = OKだよ!)、文法も、主語などが省略されていたり時制が一致していなかったり、語順が違ったり、割と適当なイメージです。

現地の英語を少しでも知っていれば自分が常識だと思っていた英語とのギャップに苦しむこともありませんし、もし知らなくてもそこで学べばあなたにとって新しい発見、知識になります。使えるようになれば、現地の人とも距離が縮まると思います。

 

最適な勉強方法は?

ネイティブの英語も含め、いろんな英語に触れるのが効果的だと思います。

例えば、英会話は有名どころですと、DMM英会話やネイティブキャンプなどが世界100カ国以上の講師がおり、多彩な英語に触れられるかと思います。ネイティブ講師だけでなく、あえてノンネイティブ講師を選んでみるのも良いでしょう。

 

お金をかけずに、比較的安価に済ませるのであれば、例えば地域の国際交流センターに行ってみたり、こちらのブログでも紹介したことのあるCouchsurfingを利用するなども良いかと思います。

(※今は感染症対策のためにおすすめできませんが)

 

まとめ

英語の多様性は現代社会において、理解されるべき多様性の一つです。

英語学習というと、つい英語の発音だの文法だのに捉われがちですが、この記事を通して、世界の英語の多様性に興味を持ち、あなたの世界を広げるきっかけになれば幸いです。